09/12/29 05:18:09.14 HYGnVcdB BE:744257478-PLT(12000) ポイント特典
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銀座に店を構える美容師の佐藤心泉(しんせん)さんが、東京の社会面で「バブル景気」を語っていた。
1980年代後半、独立を夢見て、大阪・北新地の美容室で朝から晩まで働いた頃の話だ
▼客の多くは歓楽街の女性だった。高級クラブが次々にオープンし、一つ30万円する祝いの胡蝶蘭(こちょうらん)が街を行き交う。
「海外旅行している間に株が上がって、数千万円もうかったわ」。そんな会話を聞きながら、出勤する彼女たちの髪をセットした
▼好況下の金あまりに支えられ、東京証券取引所の平均株価は89年だけで3割も上がった。まさに寝ている間に資産が太った。
そして20年前のきょう、大納会の終値は空前の3万8915円87銭をつける。いまに至るまで、これが日経平均の最高値として残る
とは誰も考えなかった
▼冷戦が終わった効果も期待し、証券業界は「1年後は4万5千円」と強気だった。だが、国の引き締めで土地神話は揺らぎ、現実は
4割減の2万3千円台。破局の始まりである。編集者の都築響一さんは、あの時代を、神様が働きバチに贈った3年限りの〈発情無礼講
タイム〉と記す
▼株価は今年、バブル崩壊後の最安値をまた更新した。心の平穏を保つには宴(うたげ)を懐かしんではいけない。無礼講のツケを
「失われた10年」で払い、人は地道の貴さを知ったはずだ
▼地道とは元々、馬を普通の速さで進ませることで、反対語は早道だという。寝ていてもうけ、楽して稼ぐ「にせ早道」は、いずれ行き詰まる。
教えを刻んだ記念碑として、振り返ればあの数字がギラリと立っている。
朝日新聞社
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