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学力向上へ問題提起 市村さん、復帰前の教育行政検証
琉球新報社で１９５２年から６４年の１２年間、教育担当記者を務めた市村彦二さん（８２）＝
東京都西東京市在住＝がこのほど、新星出版（那覇市）から「沖縄の学力」を出版した。
文科省が１９５６年に実施した戦後初の学力テストで最下位だった沖縄の学力が５０年余たった今でも低迷している現状に警鐘を鳴らす一冊。
琉球政府時代の教育行政、教育現場の課題を掘り下げた上で、学力向上に向けては今後、教育予算確保、
他都道府県の充実した授業を参考にする、学力低迷の要因を分析して改善に生かす―などを提案している。
「沖縄の学力」は２００７年１月から５月まで、８０回にわたって琉球新報社の夕刊に掲載した連載に加筆してまとめた。
市村さんは「日本へ復帰して教育環境は本土並みになったのに、なぜ学力は最下位なのか」との思いから執筆を始めた。
著書では学力テストの上位県である秋田県の教育行政、学校の取材から沖縄が学べる点も盛り込んだ。
「沖縄を担う子どもたちの幸せを考えるためには何をすればいいか、この本が考えるきっかけになってほしい」と思いを込めた。
琉球政府時代の教育行政の検証では、米国の施政権下にある沖縄では校舎や備品、教材と教具、
教員給与などで県外と比べて大きな格差があり、学力差があるのも当然との見方があったと指摘する。
しかし、日本へ復帰し、米国施政下という阻害要因がなくなった後も、学力低迷が改善されない現状に
「内的な要因は何なのか、行政、現場の教員がしっかり考えてほしい」とつづる。
その上で秋田県から学ぶ点として、点数が低かった数学・算数に関する課題を分析して具体的な対策を立てているほか、
家庭学習の徹底、読書量の多さを挙げた。
（略
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１２年間の教育担当記者の取材などを基に「沖縄の学力」を出版し、
「子どもたちの幸せのために何をするかを考えるきっかけにしてほしい」と語る市村彦二さん＝１３日、琉球新報社
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