09/10/22 22:49:27.67 8qbnB10O BE:191335032-PLT(12000) ポイント特典
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いまや、アニメ(Anime)同様、カワイイ(Kawaii)は、海外からも熱い注目を浴びている。
日本の少女文化は、中原淳一が手がけた「少女の友」(1908年創刊)にまで遡ることができるが、これほど少女文化が発展した国は、他に類を見ない。
その体系の中心には、つねに「カワイイ」という感覚が存在していた。
いや、「少女の友」どころの話ではない。批評家の四方田犬彦は、清少納言『枕草子』にその源流を見出している。
『「かわいい」論』(筑摩書房)から引用しよう。いわく、
「日本人の小さなもの、かわいいものに対する親しげな眼差しというものは、実は千年以前から少しも変わっていなかったのだなと妙に感心してしまう。
清少納言が現在でいう「かわいい」の例として挙げているものは、幼げな者であり、無邪気で、純真で、大人の庇護を必要とする者であって、そのささいで遊戯的な身振りに焦点が当てられている」。
真壁智治とチームカワイイによる『カワイイパラダイムデザイン研究』は、主として建築分野における「カワイイ」に焦点を絞り、現状分析を通し、その可能性を探ろうというものだ。
建築は、古代ギリシア以降、美学の規範として機能し、造形文化の王道を形成してきた(他方、少女文化=かわいいものは周辺に追いやられていた)。
しかし本書によると、建築の最前衛で「カワイイ」という要素が有効性を発揮しつつあるという。
ここで「カワイイ建築」として挙げられているのは、高過庵(藤森照信)、キョロロ、ふじようちえん(ともに手塚建築研究所)、MIKIMOTO Ginza 2(伊東豊雄)、
森山邸(西沢立衛)、ハウス&アトリエワン(アトリエワン)等々の物件。それぞれ方法論は異なるが、手がけたのはいずれも注目の建築家である。
真壁らは、表層や意匠をめぐる分析だけではなく、機能主義を批判的に乗り越える手段として、「カワイイ」を位置づけている。
つまり、建築史への接続を目論んでいるのだ。
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