09/09/29 02:41:20.21 ViodyHCy
走れメロス
メロスは大金の入っている財布を拾った。
あまりの大金に仲間を呼んで浮かれ気分で大酒を呑んだ。
しかし明くる日、二日酔いで起きると、拾ったはずの財布がなくなっていた。
妻は「こんなに呑んで酒代をどうするのか」とかなりのおかんむり。
メロスは拾った財布があると訴え、家中を引っ繰り返して財布を探すが何処にも無い。
メロスは財布の件を夢と諦め、心を入れ替えて、以来酒を断ち真剣に働き出した。
しかし、このメロス、真剣に働くとどうしたことかかなりの商売人。独立して自分の店を構えるまでに出世する。
店を構えてから三年後の大晦日の夜、妻はメロスに例の財布を見せ、自分が隠していた旨を伝える。
その後、妻は懸命に頑張ってきたメロスの労をねぎらい、「久し振りに酒でも」と勧める。
はじめは拒んだメロスだったが、やがて杯を手にする。
「うん、そうだな、じゃあ、呑むとするか」
しかし、何かを思い立ち、メロスは杯を置いた。
「よそう。また夢になるといけねぇ」