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激戦区ルポ<岐阜1区>2009年8月24日
◆自民・野田さん、涙を抑え懇願
「駅前でことごとく無視された。自民を嫌い、民主に移る人の流れを痛い思いで受け止めました」
20日夜、岐阜市の公民館。岐阜1区(同市)の自民前職、野田聖子(48)は、危機感をあらわにした。
37歳で初入閣。「国務大臣」と書かれたポスターが目立つ。序盤戦、どの演説会もいすに座れないほどの人で埋まり、
手応え十分にみえた。だが、電話作戦班が異変に気付いた。
支持者に混じる「今回は民主に…」の声。陣営幹部は本人に風向きの変化を自覚させようと、早朝のつじ立ちをセッティング。
野田は通勤客に無視され、劣勢に気付いた。支援者も終盤用の「必勝」はちまきを締め、目の色を変え始めた。
前兆は解散後からあった。4年前の郵政選挙で“刺客”の佐藤ゆかり=東京5区へ転出=を応援した党員が、民主候補の後援会を結成。
佐藤を支持した笠原多見子(44)は自民県議を辞め、民主の比例単独で立候補した。
自民市議は団結を繕うが、野田派と佐藤派に分裂したしこりと、立命館誘致問題で対立した経緯から、熱心さはばらばらだ。
頼りは熱心な野田ファン。元建設相の祖父の代から応援する主婦(65)は「初の女性首相になる人。絶対に落とせない」と語る。
23日朝、商店街で古くからの支援者の姿を見て感極まった野田は、ハンカチで涙を抑え、震える声で懇願した。「政権交代という言葉はまやかし。私の言葉を信じて」
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