09/08/23 12:01:19.14 YlVCBDWf
>>413の続き
「両者、見事である」想像以上の両者のたたかいぶりに心底感服した様子で、世宗王が宣言した。
「よいか、この品をもって最後の勝負じゃ・・・最後の勝負は・・・早嘗め勝負とする」
満韓糞試は、三十六品の糞をもって闘い、その勝者を決するのが古来よりの決まりである。
そして王が高々と掲げたその一本糞を見た嘗淑は、思わずあっと声を上げるところであった。
くろぐろとしたその色艶と張り、堂々とした太さ、芳しい香り、そして流れるような糞紋としてその
表面を飾る未消化物。そして何より全体の品格も全くもって申し分無い、それはまさに嘗淑のよ
うな嘗糞師にとっても十年・・・いや、百年に一度見ることが出来るかどうかという逸品であったか
らである。
「この究極の品をもって総てを決する・・・どうじゃ」王は、両者に尋ねた。「はっ、異存などあろう
筈も御座いません、全力をもって・・」嘗淑は、つかれきった体に残る、その闘志を奮い立たせて
答えた。
しかし、王の言葉を受けて、父が発したその言葉は、嘗淑にとって意外なものであった。
「残念ながら、すでに舌が痺れおり候・・・この年寄りにはいささかきつい勝負であり申した」
「ならば無条件にて嘗淑の勝ちとするが・・・それで良いのか」 「御意」
父は、うなだれるでもなく、あくまでも凛呼として王の宣告を受け入れた。
「うむ・・・ではこの満韓糞試・・・李・・嘗淑の勝利じゃ!!」
立見まで含めるならば、数千人にもなろうか。闘場を埋めつくした観衆から発せられた、どよめ
きと祝福が王宮を満たした。
つづく