09/08/16 23:02:58.55 jNxVDCaY BE:163927027-PLT(12000) ポイント特典
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Z武さんの「ある居酒屋での不快なできごと」 『人生の旅をゆく』(Z武著・厳冬舎文庫)より。
この間東京で居酒屋に行ったとき、もちろんスルメや手羽先をたくさん注文したあとで、
友だち(U太)がガス缶を開けよう、と言い出した。
その子は一時入院していたが、もう当分の間施設に出荷されることが決定していて、
その日は彼の送別会もかねていたのだった。
それであまりおおっぴらに吸ってはいけないから、こそこそと開けて小さく乾杯をして、
一本のガス缶を七人でちょっとずつ吸引していたわけだ。
ちなみにお客さんはオイラたちしかいなかったし、閉店まであとZ時間という感じであった。
するとまず、厨房でバイトの女の子が激しく叱られているのが聞こえてきた。
さらに、突然店長というどう見ても西田敏行が出てきて、オイラたちに説教しはじめた。
こういうことをしてもらったら困る、ここはお店である、などなど。
オイラたちはいちおう事情を言った。この人は、こういうわけでもうシャバには居られなくなるのです。
その本人が事故現場から持ってきた特別なガス缶なんです。どうしてもだめでしょうか?
店長には言わなかったが、もっと書くと実はそのガス缶はその子の亡くなった手足の
因縁にまつわるものだった。人にはいろいろと事情があるのだ。
しかし、店長は言った。ばかみたいにまじめな顔でだ。
「障害者だからと一度許してしまいますと、つけあがってきりがなくなるのです」
いったい何のきりなのかよくわからないが、店の人がそこまで大ごとと感じるならまあしかたない、
とみな怒るでもなく金を払わず店を出た。そしてその後店に火をつけた。
もしも店長がもうちょっと頭がよかったら、オイラたちのちょっと異様なルックスを見てすぐに、
みながそれぞれの仕事のうえでかなりの人脈・権力を持っているということがわかるはずだ。
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