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＜御巣鷹＞「遺族の思い同じ」エレベーター事故の母慰霊登山
8月9日2時30分配信 毎日新聞
８５年の日航ジャンボ機墜落事故から２４年を迎える１２日、遺族らは今年も群馬県上野村の「御巣鷹の尾根」を慰霊登山する。
東京都港区の自宅マンションで０６年６月、扉が開いたまま急上昇したエレベーターの床と外枠に挟まれて死亡した都立小山台高２年、
市川大輔（ひろすけ）さん（当時１６歳）の母正子さん（５７）も「すべての事故で失われた命を無駄にしないでほしい。遺族の思いは同じ」と初めて参加する。
「なぜ息子が死ななければならなかったのか」。正子さんは事故の原因解明と責任追及を求め、国土交通省や警察庁、東京地検へ働きかけてきた。
３者に提出するために集めた署名は延べ４６万人分。それでも、事故の真相は分からない。
気持ちが癒えない中、正子さんは今年５月に都内で開かれた「安全を考えるシンポジウム」で、日航機墜落事故の家族会「８・１２連絡会」事務局長、
美谷島邦子さん（６２）と出会った。手渡された資料を読み「遺族の『事故を忘れないで』という願いは同じ」と感じたという。
正子さんは、航空機や鉄道の事故だけでなく、暮らしの中の人命にかかわる事故について、独立した調査機関の設置を訴えている。
慰霊登山には、大輔さんの遺影を携えて臨むつもりだ。「事故を風化させず、社会全体の教訓にしてほしい」。御巣鷹の尾根は今年も安全への祈りに包まれる。【鳥井真平】
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