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カンボジアの「エイズコロニー」、差別助長とNPOが批判
(CNN) カンボジア政府が首都プノンペン郊外にエイズウイルス(HIV)感染者を集めた集落をつくり、
感染者と家族をそれまで住んでいた場所から立ち退かせて転居させているとして、人権保護団体が28日、
政府を批判する書簡を送ったことを明らかにした。
この集落はプノンペン郊外のトゥオル・サンボにあり、地元では「エイズコロニー」と呼ばれている
。政府は6月から感染者を転居させ始め、先週だけで20世帯をそれまで住んでいた場所から退去させたという。
住居は壁が薄く粗末なつくりで、清潔な水が出る水道もなく、このような場所に感染者を隔離すれば、偏見を助長するだけだとHIV感染者支援団体は指摘する。
人権保護団体のヒューマン・ライツ・ウォッチは100以上の団体と連名でカンボジアのフン・セン首相と保健相あてに書簡を送付。
「カンボジア当局が事実上の『エイズコロニー』を形成していることを深く憂慮する。トゥオル・サンボは仕事からも、
医療機関からも、支援サービスからも遠く離れており、感染者を転居させるのは差別的かつ生存を脅かすものだ」と批判した。
感染者やその家族はこれまで、日雇いやバイクタクシーの運転手、清掃などの仕事をして生計を立てていたが、
トゥオル・サンボでは仕事が見つかる見通しはほとんどないという。
地元自治体の関係者は英字紙プノンペン・ポストに対し、トゥオル・サンボの問題については把握しており、
改善のための措置を講じているとコメント。一方、転居させられた人は、家が借りられない不安はなくなったが、
薄い住居の壁を刃物で切り裂いて泥棒に入られる事件が起き、不安を感じると話している。
国連の統計によると、カンボジア国内のHIV感染者は2008年現在で成人6万7200人、子供3800人。
減少傾向にあるものの、流行が繰り返される状況にあるという。
URLリンク(www.cnn.co.jp)