09/07/16 09:01:57.88 1iBzudQT BE:737380782-PLT(12254) ポイント特典
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【産経抄】7月16日
「ああ、いい子だぞ。かわいいな」。そういって父親が、幼いわが子を抱きしめる。
ありふれた家族の風景だ。秋田県美郷(みさと)町の高橋家の場合は、ちょっと珍しい。
抱きしめる相手が、自分より大きくなった高校生の息子なのだ。
▼トタン職人の高橋さんは、中学3年の時に、母親に続いて父親を亡くした。
父親のあぐらの上で抱かれるのが大好きだった高橋さんは、2人の息子が小さいころは、同じようにずっとひざの上にのせてきた。
▼さすがに最近、息子たちは父親のスキンシップをうとましく感じているようだ。
その代わり長男は、父親の跡を継ぐ決心をした、と高橋さんの妻、洋子さんが、
平成18年6月に、毎日新聞の投稿欄「女の気持ち」に寄せていた。
▼ところが世の中には、わが子を抱きしめるどころか、暴力をふるわずにはいられない親も少なくない。
厚生労働省によると、平成20年度に全国の児童相談所が対応した児童虐待に関する相談が、
過去最多の4万2662件に達したという。別の調査で、親と離れて児童養護施設などで暮らす子供のうち、
半数近くが親から虐待を受けていたこともわかっている。
▼洋子さんは、夫と息子たちを見ていて思ったそうだ。親子の愛情は、
「細胞に組み込まれ、受け継がれてゆく」のではないか、と。悲しいことに、子供を虐待する親の多くは、
子供の時、やはり虐待された経験をもつ。深い心の傷を負った子供たちを、
負の連鎖から救いだすには、施設も専門家の数もまだまだ不十分だ。
▼高橋家は、どんな夏を迎えているのだろう。洋子さんは昨年の今ごろ、心ない顧客から工事費を大幅に値切られた、
夫のくやしい思いをつづっていた。いつまでも、笑いの絶えない家族でいてほしい。
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