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・「児童ポルノ大国」の汚名返上へ待ったなし!自民、公明両党と民主党がそれぞれ提出している
「児童買春・児童ポルノ禁止法」改正案の国会審議がようやく始まった。
焦点は、児童ポルノを個人的に収集するだけの「単純所持」を処罰の対象とすることの是非にある。
しかし、ネットの普及で児童ポルノが世界中にはんらんする中、「見るだけでも犯罪」との考え方は
今や、国際社会の“常識”だ。G8を見ても、単純所持を処罰対象としていないのは日本とロシアだけ。
国際基準を満たしていない日本の児童ポルノ環境はそのまま、国際的な捜査協力の障害ともなっている。
国内的に見ても児童ポルノ事件は急増しており、昨年1年間の摘発件数は過去最多の676件に上った。
背景にあるのは「犯罪を誘発する単純所持の放置」(警察庁)だ。国民の間にも規制強化を求める声は
広がっており、内閣府が行った調査では90%の人が単純所持の禁止に賛成している。
公明党が主導してまとめた与党改正案は、こうした内外の要請を受け、「単純所持の禁止」を明記。
「自己の性的好奇心を満たす目的での所持」に厳格な処罰規定も盛り込んでいる。
一方、民主党案は、処罰の対象を「所持」より狭くして、「有償または反復した取得」に限定した「取得罪」を新設。
児童ポルノの定義の明確化をことさらに強調しているのも特徴だ。「捜査権の乱用を防ぐため」というのが
その理由だが、多くの専門家は「現実的ではなく、かえって児童ポルノ捜査の妨げとなる」(日本ユニセフ
協会主催のセミナーで前田雅英・首都大学東京法科大学院教授)と指摘する。
ただ、与党案も野党案も「規制強化が必要」という認識では一致しており、「単純所持を禁止すべき」との
考え方にも大きな差異はない。関係者は「法案の一本化は可能」と期待する。
26日、衆院法務委員会で参考人として意見陳述した日本ユニセフ協会のアグネス・チャン大使も、
「子どもたちは自分で自分を守れない。大人が守ってあげるしかない」として、「与野党で審議を尽くし、
今国会での成立を」と訴えた。