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寿司の起源
すしの起源は、紀元前4世紀頃の東南アジアにさかのぼります。貴重なタンパク質をおぎなうため、
米の中に塩味をつけた魚を漬けて発酵させた魚肉保存法だとされています。内臓を処理した魚を米飯に漬け、
米飯の自然発酵によって魚の保存性を高めた食べ物でした。このすしを「なれずし」と呼び、数十日から
数カ月たったところで魚をとりだし、食べるのは魚だけ、米は捨てられていたのです。
生成ずしへ
やがて中国大陸に伝わり、8世紀頃日本にも伝わります。平安時代と呼ばれる頃です。日本人は
米飯好きの民族だったので、魚だけでなくご飯も一緒に食べる「生成ずし」と呼ばれるすしが盛んになって
きました。室町時代後期のことです。魚は半生の状態で米飯もまだ飯として食べられる内に一緒に食べて
しまうものです。すしは保存食から料理へと変わるのです。
早ずしへ
ご飯が最初は発酵を助けるためだけであり、貯蔵を目的としていたのですが、江戸時代になると、
日本独特のご飯そのものをおいしく食べる「早ずし」へと変わっていきました。自然発酵を待たずに、飯に酢を
混ぜ、魚だけでなく野菜・乾物などを用いて作るのです。この形態は、日本各地にその土地の産物と強く
結びついたものとして今でも見受けられます。
にぎり寿司の誕生
19世紀初め頃、東京が江戸と呼ばれていた時代、江戸の町には、屋台を中心とする外食産業が
軒を列ねていました。その中で「にぎり寿司」が世に登場しました。江戸前、すなわち東京湾でとれる魚介・
のりを使うことから「江戸前寿司」とも呼ばれています。すし商、華屋与兵衛の改良により、そのおいしさ、
その簡便さが江戸中の評判になっていったのです。そして1923年の関東大震災により、被災した東京の
すし職人達が故郷に帰り、日本全国に拡がっていったのです。
そして、今日
1980年代頃からアメリカでは、魚と米で作った寿司は、健康に良い食べ物として、スシ・ブームが
起こり、スシ・バーがたくさんできました。そして、熟練した寿司職人の技術をもった寿司ロボットの登場に
より、寿司は大衆化し、スシ・ブームはアメリカのみならず全世界中に拡がっていったのです。