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【書評】『自衛隊が世界一弱い38の理由』中村秀樹著
2009.6.13 08:05
■元潜水艦長による「諌死」の書
本のタイトルとまったく矛盾するようだが、著者の中村秀樹氏は、「自衛隊が世界一強い」かもしれないことを証明した潜水艦長だった。
なにしろ、通常動力の潜水艦で米海軍の原子力潜水艦に勝利した(もちろん演習ではあるが)伝説の男なのである。
世界一流と評される自衛隊の戦力はいわば、履歴書上の能力にすぎないと著者は書く。
実際の仕事は履歴書上の資格や学歴よりも、倫理観や価値観、性格や責任感で達成されることの方が多い。
育ちがよく高学歴で運動能力抜群の青年が使ってみると甘えん坊で協調性に欠け、逆境に弱くて職場のお荷物になることもある。
自衛隊は、そんな存在なのだということが、本書では具体的に告発される。
たとえば、いざ有事となって、兵士が逃亡した場合、自衛隊法では懲役7年。
映画館の盗撮よりも罪は軽い。敵前逃亡が死罪にあたるのは諸外国でも当然のことなのに。
平時の安全を重視するあまり、訓練も実戦的ではない。演習の際に、訓練用の魚雷(弾頭に弾薬は入っていない)を
潜水艦に対して発射することさえ許されていない。事故が起こったら危険だという理由からだ。
こんな38の具体的な欠陥が、尖閣諸島に中国の少数の非正規軍が上陸するという、実際に可能性があるシミュレーション
とともに暴き出される。
結論。自衛隊は戦えない。だから世界一弱い。自衛隊を世界一強くできたかもしれない軍人だからこそ書いた、
いわば「諫死(かんし)」の書である。(文芸春秋・1400円)
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