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「いつもそんな感じなの?」
922: ◆aLICeotiAI
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「那波ちゃんの言うことが当たるっていうのは、七夕の時にわかったでしょう?」
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僕らは、その普通じゃないことを、しようとしていたんだから。
924: ◆aLICeotiAI
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「いいよ。他の子に負けないようにがんばるから」
925: ◆aLICeotiAI
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「…はい。雪も、頭に血が昇ってしまったようです。花梨さん、申しわけありませんでした」
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「ふーん…こんなところにねぇ。少なくとも、私じゃないね」
927: ◆aLICeotiAI
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「っぅぅーーー」
928: ◆aLICeotiAI
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「っぁ…はぁっ…和泉ちゃんが、速すぎるんだってば」
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「雪さん、手は大丈夫?」
930: ◆aLICeotiAI
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「わかんないじゃないか。今は引けないんだし」
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「ホント?」
932: ◆aLICeotiAI
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「いけませんわ、デートの途中に眠ってしまわれるだなんて」
933: ◆aLICeotiAI
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「アリス、嫌なこと言わないでくれる…」
934: ◆aLICeotiAI
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「どうか無理をなさらずに。気分が悪いのでしたら、続きは明日にしましょう」
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そう答えた雪さんの声は、昼間とは比べものにならないくらいしっかりしている。
936: ◆aLICeotiAI
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しかも、天を仰ぐポーズつき。
937: ◆aLICeotiAI
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「だってじゃないよ。花梨のこと泣かせていいのは僕だけ。違う?」
938: ◆aLICeotiAI
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嘘のようにおだやかな顔をして…彼は、本当に、眠りについてしまった。
939: ◆aLICeotiAI
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「……すみません、雪なんかのために、気をつかわせてしまって」
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居心地の悪さを感じて、僕は、坂を下る足を速めた。
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振り向くと、庄一は、口をゆがめたような、彼特有の笑いを見せて、
942: ◆aLICeotiAI
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光の加減や目の錯覚―なんにせよ、僕がそう思っただけのこと。
943: ◆aLICeotiAI
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「…知らない!」
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なんにせよ、この笑顔は止められない。
945: ◆aLICeotiAI
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ゆっさゆっさゆっさ…
946: ◆aLICeotiAI
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風になびく髪を押さえながら、花梨は空を見上げた。
947: ◆aLICeotiAI
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「ったく、他の患者が迷惑だろうよ。ま、上手いこと言っておくさ」
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そう言われたって納得できやしない。
949: ◆aLICeotiAI
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きっ―アリスはとつぜん口をつぐんだと思うと、暗闇の向こうに鋭い視線を向けた。
950: ◆aLICeotiAI
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「か、花梨…やめてよ」
951: ◆aLICeotiAI
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「…んぅ」
952: ◆aLICeotiAI
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「本日は、お出かけの予定でしたか?」
953: ◆aLICeotiAI
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「うん…どう考えても、ビーチボールの破壊力じゃなかった気はするけど…」
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僕には、何もできなかった。
955: ◆aLICeotiAI
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「まだ、そんなに疲れてないから大丈夫だよ。ね、任せて」
956: ◆aLICeotiAI
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「本当なんだ。そんな、あきれた顔しないで」
957: ◆aLICeotiAI
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「んーーーーっ」
958: ◆aLICeotiAI
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「わからないけど、他に原因が思いつかない」
959: ◆aLICeotiAI
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「ということは、マリアちゃんも終わってるんだ。こういう時、同い年の姉妹は得だなぁ」
960: ◆aLICeotiAI
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「ううん、すごく楽しかったよ」
961: ◆aLICeotiAI
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そう言うと、目を閉じ、続きを要求するように口をつぐんだ。
962: ◆aLICeotiAI
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「雪さんをどうこうできるほど、大層な人間じゃないよ、僕は」
963: ◆aLICeotiAI
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「ま、待ってください! 邪魔なんかじゃありませんから…だから、雪と一緒にいてください」
964: ◆aLICeotiAI
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物を言わない人形みたいに、ぼんやりと悲しい目をして。
965: ◆aLICeotiAI
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「見に行く?」
966: ◆aLICeotiAI
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「そうだね…人間と同じだ」
967: ◆aLICeotiAI
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「人が人の魂を取り込むために行う儀式は性交ではない。喰らうことだ」
968: ◆aLICeotiAI
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「透矢さんとふたりきりで、たくさん面倒を見てさしあげるんです」
969: ◆aLICeotiAI
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「にしても、そんなに焦ってお見合いなんかさせてどうするんだろうね…」
970: ◆aLICeotiAI
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「…勝手に殺さないでよ」
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ふたりで縁側に腰掛ける。
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言わなきゃ始まらないことがある…庄一の言葉が思い出された。
973: ◆aLICeotiAI
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「目が悪いからでしょう?」
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長い黒髪を風になびかせて、白い肌を夕陽に染め、憂いを含んだ表情で、はるか彼方を望んでいる。
975: ◆aLICeotiAI
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「いっ、ぅ…」
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なんてこった―だろうな。
977: ◆aLICeotiAI
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でも、そのせいで、次の日には熱を出しちゃったんだよな。
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家を訪ねて回っても、人の住んでいる気配は、まるでない。
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花梨との約束までには、まだ間がある。
980: ◆aLICeotiAI
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それでも僕は、雪さんにだけは側にいてほしかった。
981: ◆aLICeotiAI
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「…今ならいいか。牧野さんも同じ夢を見てるんだって」
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彼女を抱いたあの夜から、もう、ひと月が経つ。
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今日、一日だけだけれども。
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「あは、おねえちゃんみたいなこと言うんですね」
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情けないな、僕は…
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「七時に宮代神社だっけ」
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「赤ちゃんができたら…私にも、おっぱい出るのかなぁ…」
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「和泉ちゃんは、俺の目の前にいる、おまえのことが好きだったんだ。少しは自覚しろよ」
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この子は、僕なんかの事で、こんなにも喜んでくれる。
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「変えたかったから」
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「い…ずみ、このままするよ?」
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「…撫でないでよ」
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なんの役にも立てないなら、みんなのために、声を張り上げるくらいはしてもいいだろう。
994: ◆aLICeotiAI
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「透矢くんも花梨ちゃんも、けっきょくおんなじじゃない…みんな、私がいないほうがいいんでしょう!?」
995: ◆aLICeotiAI
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「え? や…そっちは…」
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それを止めるのが僕の仕事か…そう考えて、ずしんと肩が重くなった。
997: ◆aLICeotiAI
09/06/13 00:31:07.36 yN1tFzPc
今度は、前のめりで海に落ちた。
998: ◆aLICeotiAI
09/06/13 00:31:07.39 yN1tFzPc
(ごめん、雪さん…)
999: ◆aLICeotiAI
09/06/13 00:31:07.39 yN1tFzPc
「最後にしおらしいところを見せるのは、汚いよな」
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09/06/13 00:31:07.40 yN1tFzPc
二人は嫌がるでもなく、僕のもの、お互いの顔を舐め始めた。
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