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「これからは介護の時代だ」と騙された奴なんていないよな？
介護現場の人手不足が解消する兆しが見えない。二十三、二十四日の両日に
横浜市内で開かれた合同面接会には、不況下で職を求める計二百六十人が参加したが、
低賃金がネックになり、実際の就労には二の足を踏んだ参加者が多かった。「雇用のミスマッチ」が際立つばかりだ。
横浜市港南区の福祉保健研修交流センターで開かれた合同面接会。資料を手にしただけで会場を後にする参加者も多く、
六十法人が並んだブースには空席が目立った。採用担当者の一人は「二日間で面接できたのは三人。
やはり待遇を知って敬遠する人が多い」とつぶやいた。
雇用情勢は悪化の一途。就ける仕事の選択肢が狭まるなかで、介護職への関心や意欲を高めている人はいる。
昨年十月に広告デザイン会社を解雇された同区在住の男性（48）は「介護はこれからますます必要になる仕事。
第二の人生のつもりで介護の道に進みたい」と面接会にやってきた。
デザインの仕事に未練はあったが、同じ職は見つからず、踏ん切りをつけたという。
ただ待遇への不安は尽きない。福祉施設介護員の平均月収は約二十一万千円で、全産業平均の七割弱（厚生労働省調べ）。
「大学生の娘がいて家のローンもある。金銭面で折り合わなければあきらめるしかない」と話す。
「これだけ職を探している人がいて、人材が確保できない。これは現状のシステムの限界を示しているのではないか」と指摘するのは、
面接会を主催した横浜市社会福祉協議会の諏訪秀一郎・福祉保健研修交流センター館長。
厚生労働省は四月からの介護報酬を３％引き上げを決めて待遇改善に着手したが、
小泉政権下の構造改革などで、報酬は介護保険制度のスタート時から４・９％下げられてきた経緯がある。
同市青葉区の特別養護老人ホームの男性スタッフ（28）は「高校時代に担任の先生から
『これからは福祉の時代だ』と言われたころが懐かしい。ボーナスもいまでは四分の三に減った」とさみしげ。
諏訪館長は「介護報酬を一気に10％上げるぐらいでないと状況は変わらない。
介護を一つの産業としてとらえ直す『構造改革』が必要では」と訴えている。
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