09/01/07 04:13:16.51 BvfkLq9r BE:712058483-2BP(1001)
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長編きた
ロビンは今まで、言葉で表わすなら冷徹に生きてきました。
どこで誰に会っても変らぬ態度を信条に、そつなくこなしてきたつもりです。
おかげで誰に対しても、先入観なく話しはできるようになりました。
学校の勉強もサークルも、特に人間関係においては、どこにいても優等生の札が
つくくらい滞りなくきました。
今住んでいる家をこの身分で借りられたのも、おそらくそういったことが遠因でしょう。
楽しくない日はなかったと言いきれるくらいなのですが、それが
一方で計算ずくではないにしても、むしろ自分の方を必死に守っていた結果なのかも知れないことです。
そんな折にあのことが起こったのです。
先日、表参道にあるきみのバイト先に行きました。
ぼくは博物館の授業を聴講する傍らギャラリーをいくつか
回ったこともあって、また知人が画廊を中央区の方で開いているので、
どのようなものか予想はいくらかできました。
おそらくきみの修行しているとのギャラリーも、と大体の想像はつきました。
しかしロビンが始めて足を運んだとき、その予想は奇しくも崩されたのです。
「青山」を訪れたときは、細い幅構造を持つ通路に少しとまどいながらも、それは
予想の範疇をなんら超えませんでした。こころ奪われたのはギャラリーのなか、陶の置物といっしょに、きみがちょこんと奥に座っていたことでした。
なぜか暗中に爽涼とした風が吹いたかのようだったのです。
今思えば、あの瞬間にぼくは変ってしまったのでしょう