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木村太郎様
早稲田大学政経学部４年の、岡田賢治と申します。香港のほうはい
かがですか？
先日は安藤さんのお話が聞けて、大変有意義な時間を過ごせました。
もちろんそれまでの講義も、非常に興味深かったことは言うまでもあ
りません。
ところで先生は、最近の学生がおとなしいとおっしゃっていました。
私も学生の一人として、そのことは深く受け止めなくてはいけない気
がします。殊に安藤さんへの質問のコーナーで、どうしてもニュース
報道に関する宿命的な問題について、誰も聞かなかったので、かわり
にメールで、ぶしつけながらお聞きしたいと思います。（この質問は
安藤さんと木村先生の御両人にお尋ねしたかったものです）
マスコミの伝達手段としての歴史について、講義において学びまし
た。また同時にその威力や効果、用途についても、若輩ながら少なか
らず知り得たつもりです。
ニュース番組は、マスコミのなかでも社会的な役割が大きいはずで
す。そのなかで「世論」の反映が色濃くあって然るべきでしょう。政
治に対する批判、チェックが図られ、方向が調整される面は、今なお
強いはずです。表現の自由の基底のひとつとも言えるでしょう。
選挙戦間近、ふと夜のニュース番組を見たら、ある政党の批判を行
っていました。同じチャンネルを昼つけたら、その政党の対選挙用ＣＭ
が流れていました。このような矛盾や、ジレンマは少なからずマスメデ
ィアには存在するものかも知れません。難しい問題です。
そこで実際の現場に立っていらっしゃる先生に、「マスコミは政治（権
力）に対してどのような距離、スタンスでもって接するのか」お教え
いただきたいのです。
また、それぞれ特定の利益をもたらす団体、クラスターに対して、
線引きはどうするのか、どこまで協力、介入して、どのぐらいまで批
判し得るのか、関心があるところです。
先生の忙中顧みず、乱文ご容赦のほど