10/05/27 23:35:42 E7aPFgaZ
>>303の続き
問題は、北朝鮮がこの大金を受け取るには、拉致問題を避けて通れなかったということだ。平壌入りした小泉氏は、拉致問題が解決しなければ交渉は
一歩も進まないとクギを刺した。北朝鮮の謝罪と再発防止の約束がなければ、交渉決裂も辞さず帰国すると強硬姿勢を取った。
小泉氏の勝負を賭けた一手も、日本国内の世論の後押しがなければ、不発に終わっていたかもしれない。しかし、日本では、与野党はもちろん、左派・
親北朝鮮陣営までもが一様に、小泉氏の圧力外交に力添えした。「北朝鮮が拉致したという証拠が不十分」「捏造疑惑がある」などと、内部で足を引っ張る
ような存在もなかった。日本全土が一致団結し、北朝鮮の逃げ道を断ったのだ。
おそらく、金総書記は100億ドルか、それとも拉致を認めるかで頭を痛めたことだろう。結局、拉致の事実を認め実利を取ろうとしたが、その後の状況は
金総書記の思惑通りには展開しなかった。日本の世論が強まり、国交正常化交渉はストップ、のどから手が出るほど欲しかった経済協力資金は一銭も
受け取れなかった。北朝鮮に与えられたのは、他国の国民を勝手に拉致していく「野蛮な国」というレッテルだけだった。
日本は、一銭も払わずに自国民の拉致問題を解決した。ただ、100億ドルの「におい」を漂わせただけだ。日本政府が「まず北朝鮮が問題を解決すれば
支援する」という相互主義の原則を揺らぐことなく貫き通し、日本社会が政党や派閥を越え、固く団結した結果だった。
韓国がこの12年間「先に支援してやれば北朝鮮は変わる」と、北朝鮮に渡した経済協力資金は100億ドルをはるかに上回る。100億ドルが惜しいのではなく、
盗っ人たけだけしい北朝鮮を野放しにしてきた痛恨の12年間が胸に突き刺さる。
朴正薫(パク・ジョンフン)社会政策部長