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ルポ 新「保守」(下)
2010年03月17日
●不安の時代に根張る
「行動する保守」に集うのは、「ネット右翼」という言葉だけではくくれない人たちだ。
「民主党を粉砕するぞ」
名古屋で1月、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)が開いたデモでマイクを握った
情報処理会社の男性社員(31)は「一二三(ひふみ)」という仮名で参加する。
会社では、運動のことを話題にしない。
政治には無関心だった。理系大学院を終えた後、就職してから「嫌韓流」の本に出会い、はまった。
一人暮らしの一二三にとって、運動は、同僚には話せない歴史観や靖国問題などを話題にできる場だ。
「国に貢献している」とも感じられる。
彼らは、従来の「保守」とは趣が異なる。地縁や商売で結ばれた自民党後援会のような
共同体組織ではない。都会的なバラバラの個人が集い、仲間を発見する。
既成政党すべてに不満を抱く無党派も目立つ。「民主はサヨク、日本をダメにしたのは自民」。
東京のデモに参加した化学会社の男性社員(36)はこう語る。
小泉純一郎首相当時の自民は支持したが、2006年に安倍晋三首相(当時)に代わると、
「タカ派と期待したのに、靖国参拝しなかった」と幻滅した。
在特会が生まれたのは、この時期だ。小泉時代に目覚め、受け皿を失った保守無党派層の
先端部分なのか。政権交代が、危機感に拍車をかける。
政治不信は運動論にも表れる。彼らは日本会議など従来の保守団体を
「会議で議論ばかり。我々は行動する」(桜井誠会長)と批判する。
一方の日本会議は「私たちは時間をかけても、政治や行政に働きかけ、法や制度の変更を目指す」
(江崎道朗専任研究員)という。