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早い話が:先軍政治の危機一髪=金子秀敏
ソマリア沖で北朝鮮の貨物船が海賊船に襲われた。海賊退治に派遣された韓国の駆逐艦「文武大王」が
たまたま近くで、救援を求める英語の通信を傍受して現場に駆けつけた。海賊船は貨物船まで3キロに
迫っていた。文武大王の艦載ヘリが威嚇して追い払った。今月4日のことだ。
貨物船は朝鮮語でなんども感謝のメッセージを発信したという。韓国軍が発表した写真を見ると、船橋で
数人の乗組員がヘリに手を振っている。本当に喜んでいる様子だ。そばにアルファベットで書いた船名が
読み取れる--「タバクソル」。
タバクソルは松の一種だが、金正日体制下では神聖な意味を付与されている。えびす丸だの宝来丸だの、
普通の船の名前ではなく、政治的な名前なのだ。
95年の1月1日。国防委員長たる金正日総書記が平壌近郊の人民軍第214部隊を視察して、「革命の
基本は銃だ」と誓ったのだそうな。以後、松林(タバクソル)の中に砲を並べた部隊は「タバクソル中隊」と
呼ばれ、金総書記の「先軍政治」が始まった。(鈴木琢磨著「テポドンを抱いた金正日」文春新書)
先軍政治は、いまの北朝鮮の国家体制そのものであり、タバクソルはそのシンボルだ。ということは、
北朝鮮でこんな名前の貨物船が普通の商船であるはずがない。軍か、労働党か、あるいは金総書記直属の
特殊機関に所属する特別な船だろう。
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