09/04/21 19:54:52 8wWwtM6K
ソウルでの夜
4月1日、北と南のサッカー男子代表は、W杯南アフリカ大会アジア地区最終予選でグループ首位をかけ
ソウルで激突した。試合後、とあるホテルで朝鮮選手の取材を終え、時計に目をやると0時25分を指していた。
しょうがない、タクシーで帰ろうと、ホテル隣の乗り場で待った。
その乗り場の前列には、南の中年女性が数人。ロビーを歩く朝鮮代表選手団の姿を追っている。
なにやら大きな声で話し合っている。
「あら、北の選手かしら? 食事にでも誘ってみましょうか?」
こんな会話をしながら、彼女たちは名残惜しそうに繁華街へと向かった。
ほどなくタクシーが到着し乗り込むと、釜山出身という運転手との間で、サッカー談義が始まった。
「いやー 今晩の試合は楽しかったー! 南北が一緒に本選に行けたら、どれだけいいだろうかねー!」
と運転手。
そういえばと、記者はカメラを取り出し試合中の写真をプレビューした。
会場に、「私たちはひとつ! 6.15共同宣言実践南側委員会」という横断幕が掲げられていたこと、
試合中は遠くて見えなかった水色の朝鮮地図が、背景に描かれていたことを再確認した。
今回、南で出会った中年女性と運転手、統一を願う横断幕…。
それらは北と南の厳しい現状とは、温度差を感じさせるものだった。
初の北南戦取材をなんとか終えたソウルでの夜は、
北と南がともに南アフリカに行かねばと確信した夜となった。(東)
[朝鮮新報 2009.4.20]
URLリンク(www1.korea-np.co.jp)