09/06/18 16:35:59 esZvHTWu
明治開化期の日本と朝鮮(9) (参照公文書は1部を除いてアジ歴複写史料から)
宮本小一外務大丞、朝鮮国京城に行く
風呂場と便所
中の各官庁には風呂というものが無かったが、ここ清水館では日本人のために風呂場が新たに作ってあった。
また、便所も数箇所仮設してあった。これも日本人のために作ったと言う。しかし粗末な藁葺きで不潔であった。
普通、朝鮮人民の家には便所がないとも言う。そのためか、いたる所で糞尿の臭気が甚だしく数万の蒼蝿が舞
い、部屋にも満ちて煩わしく、耐えられない位である。雨が降る日だけ臭気が治まった。
護衛朝鮮兵の様子
清水館には、朝鮮兵が2、3百人ぐらいで護衛をしている。
事務官と兵士の上官、下士官には休息所が設けられているが、他の兵卒は別に屯所もなく、館の内外のいたる
所に筵を敷いて座ったり、あるいは樹木の下に居たりして、それで苦にしてる感じではない。ほとんどまるで犬や羊
の扱いである。しかし雨の日は甚だ困難であろう。また、糞尿をそこらあたりにするので、臭気不潔この上ない。
しばしば督促して掃除をさせた。
井戸、泉水について
人々は小井戸あるいは溜め水を用いるのみで、本年のように旱天の時にもなお手を拱いて、ただ渇水を憂える
だけで、自ら労力して水を得る方法をする者が無い。かえって日本人によって良井戸を設けられるのは憫笑する
ところである。
また、全体に井戸、泉水が乏しい。井戸の深さも3、4尺に過ぎず、汚濁不潔を嫌わない風俗であるから、枯れな
ければそれでこと足れりとするようだ。