09/02/26 23:49:00 V7lLSFlb
『マイちゃんの取材』
お昼休み、教室の真ん中にすらりと伸びた影がありました。
それはイスの上に立っていたマイちゃんでした。
マイちゃんは腕を組み、窓の外を見つめて立っています。
そしてどこからともなく流れる太鼓の音。
ドンデンドンデンドンデンドンデン
「マイは絶対、お姉さまのようなジャーナリストになるのだ!
なぜならばっ!!!」(キリッ
マイちゃんは目を輝かせてこう続けました。
「地球帝国宇宙軍太陽系直掩部隊直属第六―― 」
「あ、マイ。ちょっと学級花壇の記事が書きたいから3年生のところにいって取材してきてー」
「ハーイ、お姉さま」
マイちゃんは教室の隅で新聞記事を書いているアサヒちゃんに言われると、ひょいとイスから飛び降りて嬉しそうに教室を飛び出しました。
「ふふふ。ひさしぶりの取材、ボクのジャーナリスト魂が騒ぐのです!」
自称ジャーナリストの卵であるマイちゃんは、ひさしぶりの取材にウキウキです。
そして3年生の教室まで来たマイちゃん、とはいえマイちゃんは3年生にあまり知り合いがいません。
こまったなぁと思っていたところに見覚えのある顔が通りかかりました。
それはニホンちゃんの弟のウヨ君です。マイちゃんはちょうどいいとウヨ君に声をかけることにしました。
「やあウヨ君。ちょっと3年生が育ててるお野菜のことで聞きたいことがあるんだけど」
ウヨ君はマイちゃんの顔をみると、にっこりと微笑んで教室のドアを閉めました。
ぱしゃん!
「ああ、ちょっと!?なんで閉めるの!取材よ!?新聞に載るかもしれないのよ!?」
「あのね、母さんが変な人と話しちゃダメって」
「ボクは変な人じゃないよ!ジャーナリストなの!卵なの!!!なぜならばっ!・・・・」
今日も地球小学校は平和でした。
ただ廊下には、マイちゃんが教室のドアを叩く音と5時間目のチャイムが響いていました。