09/04/14 23:30:46 /0NIH018
『麺・イン・ブラック』
4月14日、越南飯店。
ガラガラ
「いらっしゃい」
「ベトナママ・・・・『黒いの』ひとつニダ」
「あいよ。ああ、たしか今日は14日だったね」
『黒いの』、という注文を聞いてベトナママはちゃっちゃっと麺をゆで始めました。
鍋の中でぐらぐらと踊る麺を眺めながら、ベトナママはカンコくんに声をかけます。
「・・・・今年もダメだったのかい?」
「うるさいニダ!ベトナママには関係ないニダ!」
「悪かったね。コーヒーも飲むかい?」
カンコくんがぷんすかニダニダいう様子を見て、ベトナママはクスりと笑いました。
今日はブラックデー。バレンタインデーもホワイトデーも縁のなかった男の子たちが、
銀河の暗黒の如き真っ黒なジャージャー麺を食べて憂さを晴らす日です。
冷水で冷たく締められた麺が甘く暖かいあんで温められる様に、この麺を食べる
カンコくんの心もあたためてくれることでしょう。
「あれ?そういえば、ベトナママはなんで『今年も』って知ってるニカ?
このお店、最近できたような・・・・」
カンコくんは不思議そうな顔をしてベトナママに尋ねます。
「それはね、アンタが6年生に『なれたら』わかるよ」
「ニダー?」
「まあ、青いネコ型ロボットとか魚介類の名を名乗る一家とかね、
世の中には気にしないほうがいいものがいっぱいあるのさ」
「そういうものニカ?」
「そういうもんさ。はいよ、越南飯店特製 スペシャルジャージャー麺だ」