08/12/08 02:00:56 WNy/ilKC
中国人側、蔵元と取引 銘酒「商標1500万円」
名産品や地名などに続いて、日本酒までもが中国の「商標ビジネス」の標的となっている。
登録済みの銘柄を1500万円で買わされたり、中国への進出計画の見直しを
余儀なくされたりする被害が出ている。現地で商標申請を警戒するといって
手数料を取る「監視ビジネス」さえ現れた。
岩手県を代表する日本酒の銘柄「南部美人」は、1999年に香港への輸出が始まった。
2005年からは上海の高級レストランで大吟醸や本醸造が1・8リットル当たり
数万円で出されている。
中国市場への期待が高まった昨年、福建省の個人が「南部美人」の商標登録を
中国商標局に申請していることがわかった。蔵元の久慈浩介専務は「銘柄が
使えなくなれば、中国の業者に納品を断られるだろう。商標申請しておけば良かった」と悔やむ。
兵庫県・灘の「櫻正宗」は07年度中に中国への本格進出を計画していたが、
商標申請が発覚し、輸出を見合わせた。商標を1500万円で買い取らされた
酒造会社もある。関係者によると、審判で勝つとしても時間がかかりすぎると判断したという。
中国では日本のブランドが登録申請されるケースは03年頃から出始めた。
「九谷焼」「松阪牛」「南部鉄器」の名産品や、地名の「青森」「鹿児島」などの
申請が相次いで発覚した。コメの「コシヒカリ」や「ひとめぼれ」は先に登録
されてしまい、中国で使えない。
商標申請を監視するビジネスも現れた。日本酒造組合中央会(東京)は、
中国の法律事務所の売り込みを受けて07年3月から監視業務を委託した。
しかし、その後のやりとりはほとんどなし。中央会は「効果が見られない」とし、
契約の見直しを検討している。
(2008年11月27日 読売新聞)
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