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江田島のカキいかだ破損事故４０基破損被害１億円
養殖業者らから怒りの声
江田島市沖美町、大奈佐美島沖の北約４００メートルの瀬戸内海で、養殖用のカキいかだが
中国船籍の貨物船「ＪＩＮ ＪＵ」（２６２２トン）に壊された事故から一夜明けた３日、
地元漁協などは、被害の確認や対策に追われた。漁協によるといかだ約４０基が壊れ、
被害額は約８０００万～１億円にのぼるものとみられ、カキ養殖業者らからは怒りの声が上がった。
広島海上保安部によると、貨物船は広島港から門司港（北九州市）へ向かう途中で進路を
間違えて航路から外れたとみられる。船長は「広島に来るのは７年ぶりだった。何かに
当たったのには気づいていた」と話しているといい、同保安部は業務上過失往来危険容疑で、
中国人の船長や乗組員から事情を聞いている。
江田島市の美能漁協では、３日午前５時頃からカキ漁船など１５隻を出し、被害の確認や
破損したいかだが漂流しないように、別のいかだに係留する作業などを実施。同漁協と
海田市漁協（広島市安芸区）のいかだの５基ほどが大破、ほかに３５基余りが破損していることが判明した。
美能漁協では、航行する船舶に注意を促すため、現場海域のカキいかだ周辺に灯火を
１４個設置していたといい、久保河内鎮孝組合長（５５）は「これからカキのシーズンが
始まるという時期に、大きな痛手。近くを通る船は安全確認をちゃんとしてほしい」と訴えた。
いかだ５基が被害にあった男性（３２）は「前を見ずに進んでいたとしか思えない」と憤っていた。
（2008年12月4日 読売新聞）
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