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とうとうウヨの牙城、産経新聞も靖国カルトが国際社会に及ぼす深刻な影響を1面トップに掲載。
〓靖国再考〓
(前半省略) この現代になお、靖国に参る遺族、親族にとっても靖国は戦没者と同じ情念の拠りどころに他ならない。
刑死した戦没者ならぬ、戦犯の合祀という愚挙は、結果として遺族、親族の情念を阻害する誤解を国際関係の中にまで
投げ込んでしまった。
(中略)しからば東京裁判で断罪された者たちの全てに関する責任が無かったかとは絶対に言えはしまい。
その代表的人物だった、開戦時の総理大臣、さしたる実戦体験も無い東条英機が作った「戦陣訓」の中の「生きて虜囚の辱めを
受けず」なる文書が当時の日本社会の中でいかに恐ろしい拘束力を持ち、いかに多くの犠牲者を生み出したことか。アメリカ軍が
撮った、あの激戦地サイパンで米軍の捕虜になるのを恐れてバンザイ・クリフから身を投げて死んだ民間人の女性の映像一つ
見てもいえることだ。
あの東京裁判に異議があるならば、その批判をも含めてなぜ日本人は国民が正当に選んだ者たちによる、あの戦争の真の
責任者たちの究明を行ってこなかったのだろうか。
たとえば太平洋戦争の始まる前に起こった、多大な犠牲を出したノモンハン事変なるものを主導した高級参謀の一人辻政信なる
人物は全く裁かれることもなく、逮捕を恐れて逃げ回った手記を発表しその評判を借りて立候補し、与党政府の悪口をいいまわり
参議院議員になりおおせた。こんな馬鹿げた事実を国民は看過したが、声なき戦没者たちは許しはしまい。
そうした怠慢が今日、靖国の存在の意味を風化させ、戦争という過酷な時代に、力ない者たちが肩よせあって生きて死んだ悲惨で
美しい心の歴史をも否定し、対外的にも日本人の心象を誤解に導き、日本人として最も深いところにある情念までをも否定させつつある。
天皇陛下も含めて、せめて全ての遺族、親族が晴れ晴れ参拝できるためにも、遺族を代表して行われた古河氏の発言
(A級戦犯分祀)はすみやかに果断に実現されるべきに違いない。
石原慎太郎 東京都知事
2008年09月08日 産経新聞 朝刊 1-2面より