08/01/01 00:00:14 G4vWAkwi
『新年は教会へ』
ヨハネ君にはクリスマスのときから気になっていることがありました。
それは、ニホンちゃんのことです。
ニホンちゃんがキリスト教徒でもないのにいつもクリスマスになると大張り切りで、聖劇に参加したり
クリスマスキャロルを歌ったりするのには慣れっこになっているヨハネ君ですが、この間のクリスマス
会のときに、ニホンちゃんが友だちとしゃべっている言葉を小耳にはさんだのが原因なのです。
「エヴァンゲリオン(福音)が……」
「そこで使徒がね……」
ヨハネ君は思いました。
「もしかして、ニホンちゃんは、ようやく神の福音に関心を持ってくれたのかも」
そう思うとヨハネ君はいてもたってもいられなくなって、新年のミサにニホンちゃんを誘おうと大晦日の
夜、日ノ本家にやって来ました。
訪れたヨハネ君の目に映ったのは、庭の祠に深々と頭を下げ、拍手を打っているニホンちゃんでした。
「あれ、まだ異教の祠に礼拝している。どうしたんだろう」
いぶかるヨハネ君に気がついたニホンちゃんは、声をかけました。
「あらヨハネ君、何かご用?ちょっとまってね。日付が変ったらもう一度お参りするから。二年参りって
いうの」
「はあ」