07/12/24 18:53:24 bJUuGdfw
「 私は見た!冬の怪談 」
クリスマスイブの夜、
布団に入ったニホンちゃんは胸の高鳴りを抑え切れませんでした。
(サンタさん来てくれるかな?今年は必ず起きてるもん。
会ったらみんなに言うんだ。サンタさんは本当にいたって)
でもだんだん眠くなってきました。このままではいつものように、
寝ている間にサンタさんはプレゼントを置いて立ち去ってしまいます。
そこで小さい声で歌を歌うことにしました。
「真っ赤なお鼻の~、トナカイさんは~」
内気なニホンちゃんはこの歌のトナカイさんが大好きなのです。
おや、外から鈴の音がします。
(あ、サンタさんだ。サンタさんが来た!)
そうっとカーテンを開けて窓から見てみると、
見たことの無い生き物が、こちらに向かって空を飛んで来るのが目に入りました。
(あれれ?)
ニホンちゃんが見たものは、猛り狂う荒馬のような、
大きく逞しい、そして8本の足を生やした未知の動物です。
ニホンちゃんは頬ずりしたくなるトナカイさんを想像していたのに、
今見ている生き物は、近づいたら蹴飛ばされそうな荒々しさです。
(そんな!可愛い赤鼻さんじゃないの?)
その動物はトナカイと言うより、神話の中で戦いの神が跨りそうな動物です。
町中走ったせいでしょうか、息は荒く、
吐き出す大きな白い息が、火を吐いてるようにすら見えました。
あ、その動物がこちらに目を向けます。ニホンちゃんと目が合いました。
(怖い!)
そう思った瞬間、目が覚めました。
鳥さんたちが鳴いています。もう朝です。