08/10/02 11:24:04 SpbXILG1
ピンポン・ピンポン・ピンポン・ピンポン!!
けたたましい呼び鈴の連打に、慌ててニホンちゃんはドアフォンに駆け寄り
ますが、画面には誰の姿も映っていません。
「あーあ。またピンポンダッシュが始まったのね・・・」
憂鬱げにため息をつくニホンちゃん。
このピンポンダッシュが、幼い子供達の些細な悪戯だったらまだ可愛気も
あるのですが、執拗な執念に裏打ちされた計画的な犯行ともなると、そうも
言ってられません。
そうです。既にニホンちゃんは犯人の目星がついているのです。
その犯人とは・・・・
次の日の学校。
「またやっくれれたな、キッチョムの野郎!」
そう言って怒りをあらわにするアメリー君。彼の家も昨日、キッチョム君のピ
ンポンダッシュの被害に逢ったのです。
キッチョム君のピンポンダッシュ。
もうずっと引き籠もりを続けているカンコ君の兄・キッチョム君。
近所とのお付き合いも少なくて家も貧しく、何時もお腹を空かせている彼で
すが、つい先日どういう訳か家の中で危険な打ち上げ花火を町内会の許可
無しに作り始め、今も大問題になっているのです。
普通なら、学級会で先生に大目玉を食らうところですが、ずっと家に引き
籠もっているのでその機会もなく、いつもならそんな悪戯小僧の家まで乗り
込んで相手をぶん殴るアメリー君も、花火は危険なこととチュウゴ君とロシア
ノビッチ君が何かとキッチョム君を庇うので、今のところ殴り込みの機会を逃
しているのです。