05/10/02 04:37:30 DXTi/zCx
勘定を済ませて店を出る
ぬくぬくのオンドル部屋から氷点下の外気は一瞬にして
僕を別世界にトリップさせてくれる
見上げるとソウルの夜空には大粒の星たちが輝いている
まるで気分は尹東柱の詩の世界だなと一人恍惚感に寄っていると
後ろの方から僕を呼ぶ声が現実に引き戻す
「おっぱ、きだりょちょー」
振り向くと青色のださいジャケットの着替えた女の子が大急ぎで
僕の腕にしがみつこうと駆け寄ってきた
帰ろう帰ろう、星たちの故郷に・・・
今帰るよ・・・
その夜、彼女は星からやって来た天使だった
凍てつく小さな路地、保安員は笛を鳴らしながら通行禁止の時間が近いことを知らせていた
僕たちは肩を組んで『鯨とり』を唄いながら歩き続けた
誰が見てもそれは呆れてしまうような光景だったに違いないだろう
随分歳月の過ぎた今思い返しても我ながらよくやったと思う
帰ろう帰ろう、星たちの故郷に・・・
今帰るよ・・・