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一九八七年八月二三日、ソ連のラトビア社会主義共和国の首都リガでおこっ
たことが、四年後のソ連邦解体につながるとは、そのとき誰が予想できたであ
ろうか。ソ連共産党書記長ミハイル・ゴルバチョフをはじめとする政治家、軍
人、学者、ジャーナリストの誰ひとりとして、予測しえた人はいるまい。
(略)
一九八七年八月二三日、この塔のまわりに数千人の人々が、てんでにプラ
カードを持って集まってきた。プラカードには「ナチ・ソビエト秘密条約反
対」、「ヒトラー・スターリン協定反対」、「リッペントロップ・モロトフ秘
密議定書を公開せよ」などと書かれていた。これらはすべて、独ソ不可侵条約
付属議定書を意味している。
(略)
戦後四二年を経て、バルト三国の人々が、なぜ独ソ不可侵条約の無効を主張
し、秘密議定書の公開を求めるようになったのだろうか。議定書の公開はそれ
自体が目的でなく、議定書に対する国際的な批判を喚起し、ひいてはバルト三
国がソ連邦に所属していることへの不当性を訴えることを目的としていた。
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独ソ不可侵条約―ソ連外交秘史 斎藤 治子【著】 1995年発行、古書店で
入手可能
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