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東大など、量子情報流を活用し「マクスウェルのデーモン」を実現
2025/09/01 09:54
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>>デーモンは単なる理論上の存在ではなく、実験的にも実現可能になりつつある。特に、古典物理学の範囲で記述できる「古典系」では、測定で得られた情報を仕事の取り出しや、系の熱力学的エントロピーの低減といった熱力学的な利得に変換する操作が、すでに多様な実験で実現されている。一方、量子力学で記述される「量子系」では、実験的な実装はまだ限定的で、特に、測定・制御を繰り返し行うことで量子情報の流れを活用して利得を取り出すデーモンは、これまで実現されていなかった。
>>SiV中心の電子スピン量子ビットを用い、状態の測定とその測定結果に応じたフィードバック操作を繰り返し行うことで、量子情報の流れを熱力学的な利得(ここでは系の熱力学的エントロピーの減少)に変換するデーモンを実験的に実現することを目指したという。
>>また今回の研究では、過去の測定結果の履歴を活用する「非マルコフ的なフィードバック」が、直近の測定結果だけに基づく「マルコフ的なフィードバック」と比べ、制御の熱力学的な性能がどれくらい向上させられるかを評価する新しい理論が構築された。さらに、この非マルコフ的なフィードバックを実験的に実装し、マルコフ的なフィードバックよりも熱力学的な性能が向上していることが解明された。
>>これらの成果により、SiV中心の系に対して繰り返し測定やフィードバック操作を行うことで、先行研究で導出されていた拡張熱力学第二法則や拡張ゆらぎの定理、そして今回の研究で新たに導出された法則などの実験的な検証が達成された。
>>今回の成果は、量子状態の生成や安定化などを目的とした量子制御を、より効率的に行う手法の設計につながることが考えられるという。また今回の研究は、反復的なフィードバック制御を含む「量子熱機関」(量子的な重ね合わせなどの効果を活用し、古典的な熱機関よりも高い効率やパワーを達成できる可能性のある熱機関)や、「量子バッテリー」(量子的な重ね合わせや量子もつれなどを利用し、古典的なバッテリーよりも充電速度や充電密度を高められる可能性があるバッテリー)の性能を評価するための理論的な基盤になることが期待されると