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改善か マウスで実験
2019年6月8日 10時02分
発達障害の一つ、「自閉症スペクトラム障害」に似た症状が出るマウスに運動をさせると症状が改善した、とする研究成果を東京大学のグループがまとめ、新たな治療法の開発につなげたいとしています。
自閉症スペクトラム障害は、脳の神経細胞どうしのつなぎ目の不全が一因でおきると考えられていて、主な症状として、社会的なコミュニケーションが苦手だったり、同じ行動を何度も繰り返したりすることが知られています。
東京大学大学院の小山隆太准教授らのグループは、毛繕いを何度も繰り返すといった自閉症に似た症状が出るマウスを、1か月の間、運動器具で自由に運動させました。
そして運動をさせていないマウスと比較したところ、毛繕いを繰り返す時間はおよそ半分となっていて、症状の改善が確認できたということです。
脳を調べたところ、「シナプス」と呼ばれる神経細胞のつなぎ目のうち、活動が弱いつなぎ目を脳内の免疫細胞が取り除くメカニズムが正常化していたということです。
グループは、運動によってメカニズムが働くようになり、症状の改善につながった可能性があるとしています。
小山准教授は「運動が有効である可能性を示すことができた。将来的に新しい治療法の開発につなげたい」と話しています。