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■電磁波の健康影響を考えるシンポジウム / 宮田 幹夫さん 北里大学医学部名誉教授
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一番やっかいなのは、電磁波でカルシウム代謝が乱れることです。カルシウムは、体の中の細胞のメッセージをいろいろ伝えるものですから、これが乱れると
体の細胞の機能がいろいろ乱れてきます。これが他のいろいろなことにも影響します。
また、NMDA受容器というものの問題が出ますけれども、また後でお話します。
「神経」「免疫」「内分泌(ホルモン)」の3本柱によって、私たちの体の健康が保たれていますが、まず、神経の方から、ちょっとご覧いただきたいと思います。
エピネフィリンとか、このあたりのものは、普通の60Hzの交流電磁波で-強さはわりと強いですが-影響が出ています。
問題は、この神経系の反応というのは、曝露時期によって変動する場合があることです。ある時期には強い、ある時期は減るという場合があります。たまたま、
その中間の移行期に測ってしまうと異常が出ないこともあるものですから、行政側の立場とか企業側の立場の人が影響の出ないところを一生懸命見つけて報告さ
れると困るのですけれども。こういうモノアミンというものは、基本的な交感神経などに関係するものです。
それから、GABA(ガンマーアミノブチリックアシッド)。これはどちらかというと、神経系の抑制、落ち着かせるほうの働きになりますが、こういうものにも影
響する。それから、アセチルコリンという、非常に原始的な一番基本的な神経伝達物質ですが、これにも影響する。
特に海馬ですね。海馬は記憶と情緒の中枢です。そこに影響してしまう。
それから、セロトニン。これも私たちが実験をやりましたが、1993年ですから相当前になります。このときも海馬、そして自律神経の中枢の視床下部、こういう
ところのセロトニンが増加してくる。
まあ、いろいろなところに影響が出るということは、間違いないと思います。