16/06/28 07:07:08.81 uTcD7lZU.net
つづき
ではタロットの「愚者」はといえば、創造物の奥義を目の前にして、息をのんで立ちつくすくらいの分別はあり、
なおかつその探検に乗り出すくらいには大胆な部分もある。大アルカナのなかで番号のない唯一の札で、札のなかで
何番目に位置するのかは定まっていない。では何を象徴しているのかといえば、彼岸の心の影の劇場で(無意識)
役を演じる想念、思い、夢を眺める人間の一面である。
必要最小限の荷物と巡礼者の杖を持ち、実在とは何かと追究しはじめたとたんに足にからみついてくる、内に秘めた
意欲を象徴する珍獣(猫や犬のときもある)にせきたてられながら、「愚者」は未知(内我)に向けて足を踏み出す。