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今年の5月号ではついに「組体操はやめるべきか? ケガを抑止するために 組体操から考える体育科の安全指導」とあるように、
安全指導を厳しく訴える特集を設けた。
指導書や参考書のレベルでは、もう諸手を挙げて組体操を賞賛することはできなくなった。
■巨大化・高層化の見直し始まる
具体的な対応をみせた教育委員会もある。愛知県の長久手市では、3月の定例教育委員会で画期的な方針が確認された。
現在、組み体操の人間ピラミッドの高層化が問題となっています。従来、人間ピラミッドは並列で実施していましたが、徐々に段が増えていき、市内の小学校では7段で実施していました。7段まで上層階ができるようになると、
列も3列に増え、中の列にいる子ども達は前後に逃げることが出来ない状況となります。
また、下段の子ども達にはかなりの重量がかかっていることになります。こうした現状について、西小学校から問題提起がありました。そして、人間ピラミッドの高層化は行わず、4段までにするという方針になりました。
出典:愛知県長久手市 平成27年3月定例教育委員会 会議録
人間ピラミッドの高層化は行わず、高さは学校の判断で決定するということになりました。見栄えよりも安全性を考慮していきたいと考えています。運動会が保護者や先生のためのイベントになっている側面があるとの指摘もあり、検討していきたいと考えています。
出典:愛知県長久手市 平成27年3月定例教育委員会 会議録
子どもは、教師や保護者の駒ではない。子どもの心身の発達を軸に据えたときに、体育の授業ではどのような取り組みが適切なのか。
「見栄えよりも安全性を考慮していきたい」という教育のプロとしての宣言が、組体操ブームのなかで発せられたことの意味は、とても大きい。
■学校のリスク・マネジメントが問われる
現実には、長久手市のような自治体は少数派であると推察される。概して、まるでリスクの議論などなかったかのように、多くの教育現場が、組体操ブームを再び活性化させようとしているようにさえ見える。
私は、今年5月の運動会は、教育のプロである学校のリスク・マネジメント能力が、問われる機会だと思っている。
この一年で、巨大組体操の諸々のリスクが明らかになった。もう、「知らない」とは言えないはずだ。