18/05/29 01:05:52.64 iJ9LxzSw0.net
「帰る」だと「帰るような時間=夕方」を連想させてしまう
つまり『石段を 帰るトカゲや』の時点で読み手の頭には夕方の薄暗い景色が浮かぶわけ
でも「走る」にすると、時間の情報は与えられないまま突然『星一つ』が出てくる
『石段を 走るトカゲや』で昼間の青空をイメージしていた読者もいるかもしれない
が、そのあとに続く『星一つ』で一気に一番星が見える薄暗い夕方にイメージが飛ぶわけだよ
そして「あぁ、走っていたトカゲはもしかしたら家に帰ろうとしていたのかもしれない」
と、読者は改めて想像を膨らませることが出来るわけ
最初から「トカゲは家に帰ってるところだよ」と読者にネタバレしちゃうより
「もしかしたら帰ってるところだったのかも」と考える余地を残しておく方が
長く楽しめる句になるだろう