17/08/11 07:34:00.13 gZwwzA4l.net
☆夏と空と僕らの未来
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漫画のコマと映像の融合の一つの形。
コマをテンポよく駆け巡る主人公、ページを突き破るコミカルさなど、表現は見どころ一杯だ。
音も起伏がしっかりしていて、セミが切なさを誘う。
メッセージ性も豊富。
コミカルな三角関係かなと思えたやり取りが、実際は自己犠牲を覚悟したものに変わる娘。
その運命を受け入れ、自らそれに向かって進んでいく父。
と父娘の絆のようなものに、涙する。
シーンなのだが、自分は穿った見方をしてしまうんだよ。
すんなりと入ってこない。
何故なら重大なタイムパラドックスがあるから。
そういうのをどうやって娘がタイムリープしたのかの説明を省く、という削る方向でカバーしている。
けど、どうしても思う。
二人を破談にするより、火災予防させんかと。
いや、死を覚悟するなんて、火気には気を付けりゃいいんじゃなかろうかと。
つまり冷静な思考を働かせると、運命に従う悲壮感が薄っぺらく、馬鹿っぽく見えてしまう。
もちろんそれは理詰めな部分で、感情的な部分ではじんわりとする。
でも本当の傑作は、知と情、両方を揺さぶるもんじゃないかな。
タイムパラドックスを感じさせない感動のエンディングと言えば、ゲーム「クロノトリガー」、北村薫の小説「スキップ」が思いつくけど、この域には達していない。
この作品は短編で、削る方向で説得力を出してるのだけど、どうも胡麻化しているように思える。短編ゆえの限界か。