17/08/25 04:49:19.66 6gLJakP/.net
☆イシツミ
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力の抜けた女の子テキストだが、凛とした張りのある文章だ。
それが多彩にモーションし、補佐的に美しい挿絵が添えられる。
物語のキーとなるイシツミの塔のキービジュアルの存在感、それに反してまるで趣味で積まれたかのような実用とは離れた無意味さを煽るテキスト。
その不安定感と、誰にでもある、例えば一銭にもならないFlashやレビューを生み出させる行為のような、寓意性が面白い。
のだが、話の山場は正体不明なものに追い回され、石の塔が崩壊する場面でピークとなってしまう。
オチは現実バージョンの流されて生きていた主人公。
夢のなかでさえ流されていて、石を自らの意思で壊したわけではない。
これでは夢をきっかけに、足場をしっかりと堅実に一歩一歩歩いていく成長に説得力がない。
ましてや夢バージョンで笑いながら石を何時までも積み続けるというのは、某所で触れられたようにそれまでのキャラと行為の相違が激しい。
しかし石を積む、そこに露になる狂気。
これは地獄のさいの河原を連想させる。
現実とはかけ離れた夢。
しかし、生と死のように、二つは危うい関係にある。
一つ踏み外せば抜け出せない死の深みにはまるような。
ファンタジーと現実の危うい関係。
と深く考えてしまうのだが、作品内ではやはりオチのとってつけた感は否めない。
最後の最後で、急ぎ足になりすぎて、説明不足に陥ったか。
この手のものに、説明が野暮ったいのはわかるが。適切な描写の追加でねじ伏せてほしかった。