17/08/22 02:59:56.30 y7FHPQ0l.net
クリスマス(森井ケンシロウ)
ニコニコから
全部で27分。長っ。
ただすっごくストレートな時間展開で、その捻ってないのが捻ってる的なのがあります。
これくらいの尺があると、時間軸に細工して流れを操作したくなる、ぶっちゃけ回想を入れたくなる。
特にこの作品の設定は、幼い頃からの昔馴染。誘惑は大きそう。
しかし、入れない。
だから私は迷うことなく流れに身を委ねられる。
それと、このストレートな時間の流れの良さは、この作品でのタイムリミットにも通じるんです。
つまり、終りが宣告されている。
それで真っ直ぐに時間が進んでいく、イメージで言えば空っぽへと砂時計が流れつづける、決してひっくり返されることはない。
これが切なくて、眩しくて。
この作品では其れがあっている。時間軸をいじるというのは、刺激を盛り込むための一つの基本っぽいのですが、それを外しても楽しめる。そんな感じ。
と、過去話がないのに、じゃあ何でそこまで長いかというと。
すごくまどろっこしく、遠回りして、ユーモアを入れながら、シリアスに陥りがちな死の病と離別と命の終わりを描いているからです。
ストレートに持っていくと、こんな話になると思います。良くも悪くも青臭さとか、が出てしまうんですね。
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それで結構こういうのは人気だから、いろんなところで、だから、まー、見飽きた的なものが入ってくる。
だからこのユーモアとか微妙な表現って、一つの個性になってて、時間大幅増も止むなしな楽しい工夫だと思うんです。
「好きだ」は、照れてしまうけれど。
「とても大好きだ。年収が500超えたらすぐにでも結婚して欲しい」だと、いいねーって成る。
こちらは時間軸をいじって、ちょっと前に。
この好きだの前に予告として、健太くんへの好感情をさりげなくほのめかしている文があります。
「腐れ縁だって言って、健太君と私は、よく笑う。……もうここまで来たらずっと同じでもいいのだけど」
だから、大好きだ、に唐突感を余り受けなかったんだろうと。