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『雑食動物のジレンマ』 マイケル・ポーラン
「なぜこの場所には生えて、あの場所には生えないのか。なぜ今生えて、違うときには生えないのか」
つまりキノコについて最も基本的なことは、まだわかっていないのだ。
毒キノコがなぜそれほどまでに強力な毒を生産するのかもよくわかっていない。
なぜ多くのキノコが強い幻覚発現物質をつくるように進化したのかは、さらに謎に包まれている。
英語のintoxication(酩酊・陶酔)という単語にtoxic(毒性)という言葉が入っていることからわかるように、中毒を起こす物質は意識の状態を変えることもある。
菌学に関する著書には、伸びる菌糸のように強力で魅惑的な神秘主義が流れており、驚くべき推論に次々出くわす。
菌糸はまさにニューロンであり、地中の知とコミュニケーションの器官を構成している(ポール・スタメッツの説)。
高等霊長類が幻覚キノコを摂取したことによって、人間の脳の迅速な進化が刺激された(テレンス・マッケナの説)。
幻覚キノコを摂取した人間がシャーマン的幻覚を起こし、それが宗教の誕生を招いた。
古代エレウシスでギリシャの思想家(プラトンを含む)は儀式で幻覚を起こす麦角菌を摂取し、それがプラトン哲学などギリシャ文化の偉業のいくつかを生んだ(ゴードン・ワッソンの説)。
野生のキノコを食べることは、人間の無意識に月のエネルギーを与え、想像力と直観力を刺激する(アンドリュー・ワイルの説)。
これらのことが今の科学で証明できないからといって、無視することもできないのではないか。