22/04/01 10:27:44.27 McG4ZW+6.net
>>596
> 悪いな、>>111で横レスしている方で天賦人權論の話なんぞしてないんだよ。
>>111の話の趣旨のみに即して云へば、詰り此れは「法とは何か」と云ふ法學の根本命題に突當る訣だが―
カント曰く―
「法律學者は今も法の概念に就いての定義を模索してゐる
(Noeh suehen die Juristan eine Definition zu ihem Begriffe von Raeht)」
― 法とは何であるか。
法の本質を正確に理解して誤無からしむる爲には法の概念は如何に之を定義す可き歟。
此の問題こそ法律學の全體を通じて其の最も根本的な中心問題とも見る可きもので、謂はゞ全法律學の樞軸たり根柢たるものである。
何となれば、總べての學問に於て、其の研究の對象となる可きものが先づ明白にせられなければ、其の學問の性質も其の研究の方法も定まり得ないからである。
不幸にして此の最も重要な基本問題に關して學説極めて多樣であつて、更に一致する所が無い。
自然法學、歴史法學、宗敎法學、分析法學、實證法學、利益法學など樣々の學派は其々の法の本質に關して其の特有の見解を有し現代に至つても或は新カント派と云ひ、
或は新ヘーグ派と云ひ、社會法學派と云ひ、純粹法學派と云ひ、亦新自然法學派と云ふが如き、種々の意見の對立は更に盡くる所を知らぬ。
法が其の本質に於て「存在(sein)」でありや「當爲(sollen)」でありやと云ふやうな最も基本的の問題に就いてすらも猶意見の一致を得られぬ状態に在る。
カントの有名な「法律學者は今も法の概念に就いての定義を模索してゐる」と云ふ語はけふに於ても其の儘用ゐられる。―