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1兆5千億円でも安全は買えない 陸自元幹部が訴える「イージス・アショア」の不都合な真実
週刊新潮 2018年11月8日号掲載
端的に言って、政府によるアショア導入の目的は国民を「安心」させることである。北朝鮮はこれまで、
国際社会の抗議や制裁も無視し、核ミサイルの開発を進めてきた。さらには、日本の上空を越える軌道で
ミサイル発射実験を繰り返した。そんな状況が続けば、国民が不安に思うのは当然である。
不安を取り除くにはどうすればいいか。
万が一ミサイルが飛んできても、それを上空で迎撃できれば問題ない。それがミサイル防衛という戦略で
あり、アショアに求められる役割である。・・・しかし、残念ながらそれは絵に描いた餅に過ぎない。純
粋に軍事技術として、あまりにもハードルが高いのである。
まずは「速度」の問題。敵がライフルを発砲した瞬間、こちらも銃を発砲し、弾丸で敵の弾丸を撃ち落と
す。こういったゴルゴ13のような神業を想像すれば、ミサイル防衛の難しさをわかってもらえるだろう。
しかも、一般的なライフル弾の速さは秒速900メートル前後、つまりマッハ3程度であるが、北朝鮮の弾道
ミサイルの最大速度はその5倍以上の秒速5キロ、マッハ15ともいわれている。銃弾を銃弾で撃つ難しさを、
はるかに上回っている。敵の航空機を迎撃する地対空ミサイルの場合でも、目標となる敵機は速くてマッ
ハ2?3程度。対して弾道ミサイルは、発射から着弾まで速度が変化するものの、比較的遅い軌道頂点付近
でさえマッハ10前後の超高速度なのである。ほぼ迎撃できない