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水俣病公式確認65年「国は目を背けるな」 老いる患者、募る憤り
URLリンク(news.yahoo.co.jp)
水俣病は1日、公式確認から65年を迎えた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、
熊本県水俣市などが主催する犠牲者慰霊式は2年連続で中止されたが、患者団体「水俣病互助会」
の慰霊祭は規模を縮小して営まれた。患者や家族の高齢化が進む中、参列者は水俣病問題が今なお
解決しない現状に憤り、やるせなさを抱え、冥福を祈った。
水俣病第1次訴訟の原告らでつくる同会の慰霊祭は、海に面する高台の「乙女塚」で開かれている。
公害で失われた全ての命を祭り、今年も患者や遺族約40人が参列。上村好男会長(86)は、水俣病
被害者救済法が定めた不知火海沿岸の住民健康調査について「要望し続けているが、何も進んでい
ない」と指摘。65年という時間の経過に関し「国は被害から目を背け続けている」と批判した。
公式確認の1956年に生まれた胎児性患者の坂本しのぶさん(64)は近年、車椅子での移動が増えた。
参列後は「だんだん体が、かなわなくなるのがつらい」と言葉を振り絞り、患者認定を求める裁判が
続く現状に「ちゃんと水俣病と認めてほしい」と訴えた。
一方、例年なら慰霊式が開かれる水俣湾埋め立て地の慰霊碑前では、祈りをささげる市民の姿も。
式典で患者・遺族代表として「祈りの言葉」を読み上げる予定だった上野真実子さん(59)も献花。
政府のコロナ対応に触れ「本当に命を大事にしているのだろうか。水俣病犠牲者の悲しみ、苦しみ
に思いをはせ、真摯(しんし)に取り組んでほしい」と話した。
熊本、鹿児島両県の認定患者は4月26日現在、計2283人で、うち8割超の1988人が既に死亡した。
両県では現在も計1413人が患者認定を申請。国や原因企業チッソを相手取った損害賠償請求訴訟も
続いている。(村田直隆)西日本新聞 2021/5/2