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★憲法第9条改正の危険性その① 徴兵制導入の危険性
徴兵制は、憲法第18条により禁止されている「意に反する苦役」にあたるから、憲法上は禁止されるというのが、現在の政府見解である。
しかしながら、比較法的にみれば、必ずしも徴兵制が「苦役」に当たると考えられているとは限らないという面があり、
その意味では、我が国の憲法上も、徴兵制は「意に反する苦役」に当たらないとする解釈も不可能ではない。
もっとも、現行憲法では、一切の「戦力」の保持が禁止されている以上、その意味では、仮に徴兵制が「苦役」に当たらないと解したとしても、現行法上は禁止されていると解さざるを得ない。
ところが、憲法第9条を改正して自衛隊を明記した場合、現行の第9条第2項を維持するか否かにかかわらず、
憲法上、自衛のためとはいえ、「戦力」を保持し得るということになるから、徴兵制が「苦役」に当たらないと解釈を変更しさえすれば、徴兵制を導入することが可能となってしまうのである。
したがって、護憲派の立場とすれば、自衛隊を憲法上明記するのであれば、徴兵制を明示的に禁止すべきであると主張するのが相当である。