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王さんはこう綴る。「お金はそんなに重要じゃない。まだ若いから稼げるし、生きていける。だけど、あの言い方だけは本当に受け入れられない」
子どもの頃から愛国教育を受けて育った王さんは、誰よりも国に期待を寄せていた。
だが、陳情に行って目の当たりにしたのは、民衆を蹴散らす国家権力だった。その衝撃と絶望が、自殺の引き金を引いた。
先週、筆者はある日本人女性と再会した。筆者と同様、彼女は1990年代後半から上海で生活している日本人だ。
90年代後半を振り返って、彼女が語った。
「97年のアジア経済危機で上海株が大暴落した。あのとき、上海人の友人が突っ込んだ32万元がたったの2万元になってしまった。
でもあの人、全然平気だった。リーマンショックで暴落したときもそうだった。
別の友人も財テクで大損したけど、やっぱり実にあっけらかんとしたものだったわ。
あの頃はまだ社会の雰囲気も明るく「損しても、いつかまた取り返せる」ぐらいの自信を誰もがみな持ってたような気がする」
当時、日本人の私たちは「中国はいずれ先進国と同じように、国民が主役の社会になる」という期待を抱いていた。
中国の人々も同じように、遠くない将来に、民主化された社会が到来することを心のどこかで思い描いていた。
それから20年あまりが過ぎた。中国は予想に反して、他の先進国がたどるのとはまったく異なる道を歩んでいる。
常に前向きでいた中国人たちが、そうでなくなりつつあることに、中国社会の変質を感じずにはいられない。
(2019/03/05 JB Pressより)