18/05/30 06:03:51.66 xnq/jp43.net
(>>124の続き)
そして、一番の問題点は、軍事審判所が「身内の論理で身内を庇うための組織」に成り下がる危険性がきわめて大きいということである。
すなわち、同じ国防軍にいる「仲間」が裁判をするというのであるから、温情を与えたいという気持ちが働くことは当然に想定されるし、
当然、組織内部の人の繋がりもあるから、そのようなしがらみの中で、できるだけ刑を軽くしようとする力学が働くこともあろう。
また、組織の不正を明らかにしたくないという発想から、なるべく穏便に済ませたいとする心理も働くであろう。
いずれにしても、そうした組織内部の論理によって、なるべく被告人の刑を軽くしよう、あるいは不正を闇から闇に葬り去ろう、という行動が、
身内が身内を裁く裁判では起こり得るというべきである。
例えば、戦前のいわゆる五・一五事件においては、首相を殺害するというきわめて重大な事件であったにもかかわらず、
軍法会議における量刑は、著しく軽かったことを想起すべきであろう。
そう考えると、軍事審判所の設置は、百害あって一利なしであると言わざるを得ない。