15/03/31 04:55:21.89 SprkletI.net
>>332
> そのマスコミの力を陸軍がいちばん意識したのが昭和3年の張作霖爆殺事件です。そのときに新聞は猛反発しました。
> 軍は張作霖爆殺の問題を抱えて永田鉄山以下、石原莞爾とか一夕会の連中が集まって、何とか新聞、世論の目を
> 事件からそらせようと相談しています。しかしいい智恵がなかった。それが教訓になって、こんど事を起こすときには
> 新聞を押さえなければいけない、味方につけなければダメだと日本陸軍は学んだんです。
>
> それで日本陸軍が何をしたかといったら、何やかやと理屈をつけて新聞社のお偉方を呼んで、ごちそうしたんです。
> 朝日の緒方竹虎さん以下新聞のお偉ら方がたくさん呼ばれて、軍の意向を聞いています。軍は「次はうまくやれるぞ」と
> 思っていたんでしょうね。それで満州事変です。
>
> 満州事変で新聞は一晩にしてクルッと変ってしまった。本当にクルッと変ったんです。ラジオが臨時ニュースをバンバン流した。
> こっちのほうは全部軍からもらった情報をそっくり流す。全然取材なんかしません。全く軍、国家のお抱えになっています。
(「いま戦争と平和を語る」半藤一利 井上亮編 日本経済新聞社 P259-260)