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NATM工法のトンネル復旧技術について ~工事報告~
URLリンク(www.qsr.mlit.go.jp)
1,はじめに
県道熊本高森線(県道28号)に位置する俵山トンネルは、2016年4月の熊本地震で、NATMトンネルとしては、これまでに例のない損傷が全線に発生し、通行不可能となった。
さらに、2016年6月の集中豪雨により熊本側坑口斜面では地滑りが発生し、トンネル設備を含む坑口周囲に甚大な被害を及ぼした。
県道28号は、南阿蘇村、 高森町と熊本市を結ぶ主要幹線道路であり、生活基盤を支える重要な道路である。
熊本地震により寸断された県道28号の迂回ルートとなったグリーンロードは、カーブが多く、起伏のある道路で、 標高が約1,000mと高く、冬期通行止めの可能性が高かったため、厳冬期前に俵山トンネルを含むルートの年内開通が望まれていた。
本稿は,大規模災害復興法に基づく国の直轄代行が適用された、前例が少ないNATMトンネルの復旧工事について報告するものである。
2,トンネル及び地質概要
俵山トンネルは、震源の位置から約17km、布田川断層帯の位置からは 300m以内に位置する全長2,057mのNATMトンネルで、2002年7月に供用された。
本トンネル区間は安山岩溶岩の自破砕部、多孔質部、緻密部が繰り返し出現する。
各層の分布厚は10~20m程度あり、熊本側に緩傾斜している。
緻密部は新鮮堅固な岩盤からなり、自破砕部では硬質~軟質な安山岩と同質の砂礫もしくは凝灰岩からなる。
両坑口部にはN値が20以下の崖錐性堆積物が分布し、一部には阿蘇火砕流堆積物の火山灰も分布している。
工学的には、堅固な岩盤と脆弱な自破砕部や未固結の土砂が積み重なった複雑な地質で、層ごとに強度差のある特殊な地質である(図-3)。